大阪府公立高校の新制度
学力が平均レベルから最難関までの多くの高校が、圧倒的な入試重視(入試:内申=7:3の配点)を採用し、逆に易しめの学校は内申重視となっているのです。英語・数学など5教科はそれぞれ内申30点満点に対し入試は実に126点満点と、なんと入試の配点は内申点の4倍を超えることになっています。
そのため、平均以上の難易度の高校に合格するためには、内申点を取るよりも実力をつける勉強が重要となり、公立高校は内申さえ取れれば合格という時代は遥か彼方へと過ぎ去ってしまいました。
学校名 | 入試(学力検査):内申(調査書) | 当塾の対応 | |
---|---|---|---|
タイプI | 三国丘、天王寺、高津、岸和田、泉陽、 住吉、鳳、和泉、登美丘、佐野、久米田、 佐野、高石、貝塚南、日根野 |
7:3 | 完全対応 |
タイプII | 泉北、金岡、東百舌鳥、堺西、泉大津 | 6:4 | 一部対応 |
タイプIII | 堺上、成美、りんくう翔南 | 5:5 | 非対応 |
タイプIV | 福泉、美原、伯太、信太、泉鳥取 | 4:6 | 非対応 |
タイプV | - | 3:7 | 非対応 |
内申書の絶対評価導入によって、評定の割合が変更されています。また、中学校間の学力格差による評定の違いがあるため、大阪府はチャレンジテストによって学校間の内申書の評点の割合を是正しています。
府全体の評定分布 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
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割合(%) | 4% | 15% | 40% | 27% | 14% |
今後、「進学塾」タイプの塾は、タイプIの高校に向けて内申よりも実力をつけるための先取り学習+入試演習が授業の中心となり、逆に「補習塾」タイプの塾は徹底した定期テスト対策によって内申書の充実を図るといった形になり、授業内容の両極化が進んでいくでしょう。
私立高校・高専など
関西の私立高校については、合否が入試+内申(中3の実力テスト)で判定されることが多いです(ただし超難関校は入試のみで判定)。そのため、公立のタイプIの学校同様、実力をつけていかなければなりません。また、いくつかのコースに分かれている場合が多いので、第一志望を難易度の高いコースとした場合、仮に不合格となっても易しいコースで合格する場合もあります(回し合格)。私立高校は一般的に入学後は公立高校よりも授業日数や授業時間が長く、結果的に公立高校よりも大学合格実績が上回る傾向にあります。
私立高校の中には「大学の附属高校」、あるいは「大学と連携している高校」のように、高校受験で合格すれば自動的に大学に上がれる高校があります。ただし「大学と連携している高校」は学校内外のテストによって一定以上の学力あると認められる生徒のみ、連携する大学に入学できることになっており、大学連携コースに合格した後も遊び呆けるわけにはいかないようです。
高専は5年間で卒業し就職するというイメージがありますが、高専によっては過半数が高専専攻科や大学に進学します。大学に進学する場合、東大・京大のみは2年からの編入(1年多くかかります)、その他の大学は3年からの編入(現役入学と同じ)となります。入試は推薦入試と学力検査があり、推薦入試はやや狭き門と言えます
学習内容は1年から専門科目を学習するため、実験・実習・研究は大学の2倍行います。そのため、卒業後すぐ就職する場合でも有効求人倍率は数十倍です。大学に進学する場合も、大学ごとに枠があるため一般的な受験よりも大学に入りやすいとのことです。将来は理数系と決めている場合、仮に大学へ進学したい人にとっても、高専は一つの有効な選択肢かと思います。
入試科目
大阪府公立高校の入試科目については、普通科、文理学科はすべて5教科入試となりました。また、数学・英語・国語は入試問題の難易度がA(基礎的問題)、B(標準的問題)、C(発展的問題)の3種類へと分かれることになりました。C問題はおおむね五ツ木模試で偏差値が60程度以上の高校で採用されていますが、難易度は私立難関校並みと思われます。
関西の私立高校についても5教科入試が多いので、公立高校・私立高校を問わずに「5教科全般の実力」をつけておくことが入試に役立つと考えられます。つまり理科・社会についてもおろそかにせず、できれば1~2年生から一定の学力をつけておくのが望ましいでしょう。